Kデスクトップ環境

1.2. aRts の仕組み

ソフトウェア・シンセサイザはすでにいくつかありますが、 aRts はある1つの目標を目指して設計されています...それは柔軟性です。

そのため、このプログラムの目指すものは、楽器が2つ、または10個でもいいですが、 そのパラメータを変えながらただ良い音を出せるだけのものではありません。 また、エフェクトを3つ、ミキサを1つだけ使える、というものでもありません。

いちばん小さいレンガから複雑な構造物、 例えばイコライザ付きのミキサ、エフェクトバンク、画面に表示される ボタン、パラメータまで、すべてが aRts を構成する小モジュールから 構築できるものでなければなりません。 再接続、再設定、再プラグ、経路の再設定、 設計のやり直しのできないものがあってはなりません。 これはすべてを思いのままにできる仮想スタジオなのです。

もちろん、楽器のライブラリ、エフェクト・ライブラリ、ミキサ集、 複雑なフィルタ、midi プロセッシングユニットなどはあります。 これらは aRts と一緒に付いてきます。 しかし、それらはコード内部にあるわけではありません。 それらは aRts 自身で書かれ、aRtsbuilder からアクセスすることができます。 まだまだやるべき事はありますが、少しずつ達成していきましょう。

新しいシンセサイズモジュールは簡単に書けますし、 aRtsのシステムに簡単に統合することができます。

柔軟性をもたらすものには、 他にも CORBA があります。

シンセサイザは基本的に2つの部分からなります - モジュールを接続する GUI - とモデルを実行する深層レベルのシンセサイザです。 シンセサイザと GUI は CORBA によって通信します。 これによって、複数のオーディオアプリケーションが、 シンセサイズで使用する領域を共有できます。 それはつまり、aRts が、すべてのアプリケーションに接続されている midi バスだけでなく、 別々のリアルタイム計算を同時に行うことができる一種のオーディオサーバになる、 ということです。