Kデスクトップ環境

第 1章はじめに

KDE が、現在 UNIX システムの標準的デスクトップになるに従い、ますます多くの開発者が出来のいい API の利点の活用を望んでいます。そこで KDE プロジェクトでは GUI に加え、容易に Qt や KDE で提供されるクラスを容易に使用する新しいアプリケーションの作成を行ってます。そのため KDevelop プロジェクトでは、開発者が KDE 上の中核的な部分を用いて素早くアプリケーションを作成し、拡張できるように IDE の提供を試みています。 初心者は常にスタート時に困難を感じるものなので、このハンドブックでは KDevelop IDE を使用し、 Qt ライブラリを必要とするサンプルコードを用いたアプリケーションの実行に加え、例を用い KDE アプリケーションを作る方法を解説することで KDE 用のアプリケーションを作成する際のあらゆる状況を説明します。

さて、次章では既に完成されたアプリケーションである KDevelop を使ってプロジェクトを つくり出す方法を説明することにします。それでは、ソースを含む Qt オンラインドキュメント、例えば Qt ライブラリの使用方法から触れることにします。

これによって、まず Qt ライブラリ基礎機能の仕組み、Qt ライブラリによって用意されるクラスの使用方法を理解することが出来るでしょう。Qt は KDE が Qt ライブラリ層の 上層に成り立ち、KDE アプリケーションはその層を広く用いるといった、スタート的基盤です。

更に、KDevelop のアプリケーションウイザードを使って mini-KDE アプリケーションの作成方法についても説明します。最小フレームワークで KDE ライブラリを使用する KDE アプリケーションの実行例を作成し、KDE アプリケーションのさまざまな部分を細かく解説します。

KDevelop チームはこのハンドブックが KDE と Qt を学ぶ上で役立つことを期待し、あなたが KDE プロジェクトに貢献して下さるプログラマになることを望んでいます。

1.1. 必要な予備知識

このハンドブックは、最低限、コードとその機能を理解できる程度の C++ プログラミング言語についての基礎的知識を必要とします。加えてKDevelop プログラミングハンドブックだけでなく、KDevelop ユーザーマニュアルにも目を通し、一般に KDevelop IDE がどう機能するか、そしてどのようなプロジェクトができるかを知っていることを前提としています。